世界の奇跡 玉川温泉

NHKのブラタモリ(別府温泉編)で、タモリが「強酸性の玉川温泉に入ったときはチリチリになった。(笑)」と言ったとおり、秋田県の玉川温泉は、日本一の強酸性泉(pH1.2)で、温泉に浸かると、お尻やその前の部分がチリチリ痛いくらいしみてきます。ちなみに胃液は、pH2です。


私は、玉川温泉から車で約1時間の秋田県鹿角市(昨年、人食い熊出没で有名)の花輪で生まれ育ったので、子供のころから、玉川温泉に湯治していた祖父母を訪ね、よく行きました。今では懐かしい思い出です。

子供のころは、タモリが言っていたように、お湯に入ると粘膜がピリピリ痛くなるので、あまり好きではありませんでした。蚊に食われた傷でもあれば、飛び上がるほどの痛さでした。(大げさかな?)






玉川温泉と鹿角花輪(私のふるさと)


玉川温泉は、秋田県北部の標高740mの山中にあり、98度の温泉が毎分9000リットル沸き出し、単一の湧出口からの湧出量でも日本一です。ドラム缶に換算すると1分間で45本分となります。




大噴湯

 また、世界では玉川温泉と台湾の北投温泉にしかない北投石もあります。これは、放射性ラジウムを大量に含む温泉沈殿物重結晶石で、低レベルの放射線を出しますが、体に良いとされ、地熱で体を温めながらの岩盤浴も人気です。

北投石

岩盤浴





噴気孔

玉川温泉は私の地元では昔から湯治場として知られていました。地元では、湯治して3日くらいすると湿疹状、ニキビ状のブツブツが腕や首回り、胸やお腹などにでき、湯治しながら、しばらくしてそれが消えてなくなると元気になると言われていました。(私はモリンガを飲んだ時に、同じような体験をしました)

体に出るブツブツは、体の毒素が出る通り道であり内臓疾患の部位周辺に出るとのこと。そのブツブツは病状により米粒大からガンの人は1センチ~2センチ大と出方は様々。顔や頭にかさぶたの出る人もいます。ガンの症状が重い人は噴火のような穴が空いてみえるオデキが出たり、そこから膿が出ることもあるようです。
温泉による毒出し効果なのでしょう。

源泉100%


浴場
湯治客が増えだしたのは、1971年に地元の鹿角タイムス社を経営していた阿部眞平氏が出版した「世界の奇跡 玉川温泉」でガンや万病が治ると紹介されたのが初めのようです。自身も難病やガンに苦しみ、玉川温泉で回復改善をし、生き返らせてくれたという恩返しから広く紹介しようとしたとのことです。私も小中学生の時に、鹿角タイムスを読み、さすが粘膜がピリピリするだけのことはあると思っていました。(笑)

彼の著書には、脳腫・白内障・緑内障・虎眼・眼病諸病・鼻病・耳病・白血病・赤血病・口腔内病・食道病・気管肢病・喘息・食道胃腸のポリープ・胃腸潰瘍・胃がん病・胆のう結石・腎臓結石・肺結核・心筋梗塞・狭心症・心臓肥大症・心臓結滞・肺がん転移・糖尿病・蛋白腎臓炎・膀胱結石・乳がん・子宮筋腫癌・癌病転移症・神経痛諸症状・関節炎・痔病・皮膚がん病・水虫・痛風・スモン病・注射ショック・四肢障害・ロイマチス・高血圧・低血圧・台湾坊主・アルコール中毒症など402の病が治ると書いています。
(※医学的な見地からの裏付けや臨床データは全ておいて立証・公認されたものではありません。医学・学術的な検証が追いついていないのも事実です。また、一部拡大解釈や誤解もあるようでです)

右側の樋は湯の華採取





その後1986年には、民放テレビ局が放映した玉川温泉の湯治情報番組がきっかけで爆発的な人気になり、なかなか予約の取れない状況が続きました。

病に苦しむ各界の著名人もお忍びでたくさんやって来たと聞いています。
しっぽり濡れる艶っぽい男女のお忍びと違って、こちらの方は、粘膜のピリピリ、かさぶたの痛さを我慢し、生と死を見つめる修行のようなものでしょう。でも、人生は修行なので、どっちも大事かも。私はできれば艶っぽい方を希望しますが。(笑)


玉川温泉の紅葉


湯治については、玉川温泉に魅せられ、温泉の診療所に長年勤務した野口医師曰く、

『玉川温泉はヒリヒリ・ピリピリ痛かゆい所をブツブツの赤い湿疹状態にして悪い所を教えてくれて、治してくれるお医者さんの様な不思議な温泉であるとお墨付きなのだが、
湯治の仕方が自己流でカラスの行水程度では湯治とはいえない。

好きなだけ酒を飲んで偏食して観光気分で来て2,3日で帰る位の者には効果は期待できない。(←私にとってたいへん耳の痛い言葉)
湯治というのは、まじめに一定量の時間お湯に入って栄養をつけて病気に向き合わなければ、まったく意味のない事である。
3日位の短期間で病気が治るほどの奇蹟はありえない。(←少なくても9日以上の湯治は必要と言われています)
人任せ、医者任せではだめである。本人が心の底から病気を治そうと言う人には効果があるが、やる気のない者は治らないし、何をやっても無駄である!』
と厳しいお言葉!




病気は気の病!気力が必要!元気力が必要!皮膚を刺激して鍛える事で内臓まで刺激する。
ツボのように疾患部位をジワジワと刺激して治す。体毒素を皮膚や排尿・排便で強制排出刺激を促すなどの効果が期待できる温泉であると言われています。


これは東洋医学の考えでしょう。東洋医学では、『人体をひとつの自然とみて、体のどの部分も、全て互いに連携しながら生命活動を営み、心も連動してつながっている』と考えています。科学技術の進歩によって、東洋医学の正しさが、西洋医学によって確かめられてきています。
10月1日に放映されたNHKスペシャル「人体 神秘の巨大ネットワーク」第1集の『腎臓が寿命を決める』は、この証明になると思います。ご興味のある方は、ネットで「人体 神秘の巨大ネットワーク」と検索すれば見ることができます。また、11月5日には第2集の『脂肪と筋肉の会話がメタボを治す』が放映されます。



玉川温泉は1日2時間(1回の入浴で源泉100%に30分×4回の入浴又はそれ以上の入浴時間)で源泉100%の痛みに耐えられる人に最も適している温泉と言われますが、源泉50%にのみ入浴して体調を維持している人も、長期にわたって、湯治回数が多ければ有効であると言われています。
長時間入っていれば良いとも限らず、癌や難病の患者は、この強い温泉で体力を消耗しますのである意味命がけです。体力をつけながら入浴時間を延ばすことが重要で、体力がない人は長時間入浴は無理のようです。



我がふるさと、秋田県側の八幡平には、玉川温泉はじめ、後生掛温泉、ふけの湯温泉、藤七温泉、志張温泉、銭川温泉など個性豊かな温泉があります。

後生掛温泉

ふけの湯温泉の露天風呂

紅葉はもちろんのこと、新緑も素晴らしく、また、冬は比内地鶏のきりたんぽ鍋を囲みながら日本酒をやれば最高です。また、後生掛温泉の近くの秋田八幡平スキー場はあまり知られていませんが最高のパウダースノーです。

きりたんぽ鍋

いつも元気で楽しくいきたいですね。

モリンガ飲んで今日も元気!
今日一日、明るく、朗らかに、活き活きと、勇ましく。


10月中旬、紅葉真っ盛りの玉川温泉をビデオでとりました。




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